渋谷の税理士の近況報告 - 法人の決算の比較

こんにちは、渋谷の税理士です。長かった夏も終り、やっと涼しくなってきましたね。皆さんいかがお過ごしでしょうか? 私の方は、あいかわらず税理士業務の仕事でバタバタしている毎日です。渋谷の街を楽しそうに歩いている若者たちを横目に見ながら、あっちこっちと走り回っています。
仕事と言えば、色々と臨時で頼まれる仕事と言うのもありますが、毎月決まってあるのが法人の決算の業務ですね。株式会社などの法人は、法人ごとに決算期というのを決めてあって毎年その月で決算をしてそれとともに法人税・消費税・地方税など税金の申告をする、というやり方になっています。3月決算とか12月決算とかよく耳にしますよね。で、数で言うとやはり3月決算とか12月決算という決算期が割合多いですが、8月決算とか9月決算という会社も意外にあるんですね。まあ3月から半年で9月になりますからちょうどキリが良いのでしょうか。
こうして法人の決算というのは、毎年必ずありますので、毎年同じような決算の作業をするわけですが、その結果として出てくる各会社の業績、いわゆる決算の数字というのは当然ながら毎年変わってくるわけですね。そこで決算の時に必ず一緒に見るのが前期の業績との比較です。前期、つまり1期前、それから過去3期、さらに過去5期分の比較といった風に、その会社の過去の業績と比較してみる事は、今期の業績の評価、さらに将来の業績の予想をたてるといったことにも必要になりますのでね。
さてこのように決算時に前期比較という事をするわけですが、その場合に、単に今期と前期の数字を並べて、増えたとか減ったとか言っているだけでは役に立ちません。売上高利益率とか資産回転率とか分析の指標による比較という事もよく行われますが、こういう指標も単に数字の上での結果として出てきた物であって、これらはむしろその会社の評価をする人が使うものという意味合いが強いでしょう。そして決算の比較をする場合により大事なのは、なぜその様な変化が起きたのか、会社の事業として行われる日々の業務にまで遡ってその原因を把握する必要があるのです。そうして初めて、今期の業績の正当な評価、さらに将来に向けての指針を立てる事が可能になるのです。
この場合に役に立つのは、総勘定元帳という帳簿です。皆さんもこの名前はお聞きになった事があるかも知れませんが、総勘定元帳、略して元帳には、会社の日々の取引がすべて勘定科目ごとに記録されています。そこでこの元帳を見れば今期の決算の数字がどのような取引の結果として生れてきたかがはっきりと分かるようになっているのです。そこで今期の業績を前期と比較する場合でも、この元帳を活用する事によって会社にどのような活動の変化があって業績の変化に結びついてきたかと言う事を認識する事が可能になると言うわけですね。
社長さんの中には、元帳なんて見たこともない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、こうして考えてみると、もったいない話ですね。